川の流れのように

日々の小さな想いをつづります。

本屋の立ち読みから

立ち読みと書いたけれど、実は売っている本を店内のCafeコーナーに座って

珈琲などを飲みながら、数冊も読めるお店に久し振りに行って来ました。

 

60代の素敵な暮らしを特集した雑誌は買わないけれど、読んでみたい。

ファッションもインテリアも料理も、片付けや終活や、

その他、何もかもが親しくすんなり胸に落ちてくる。

サンドイッチの軽食と本日の珈琲で、ぱらぱら、じっくりページを繰っていると

数時間があっという間だ。

 

そして、ついに読んでいる内にどうしても手元に置いておきたくなったのが

NHK短歌」2月号だ。

 

お馬が忙しくて、なかなかじっくり歌の鑑賞を忘れて過ごしていたけれど、

やっぱりいいなあ、、、、

 

普通の何気ない言葉と言葉が、

この順番で、この組み合わせで続けると

一つの豊かな深い空間が突然生まれ出る。

その不思議さや妙に惹かれて、言葉の世界に時間を忘れてどっぷり浸って、

気付くと浄化されて、まだまだ人生にし残したことが有るような気がして来る。

 

何首か一気にご紹介したいけれど、消化不良を起こしてもいけませんので

今日はたった一首だけ。

 

私がうんうんと頷いたこの一首を。

 

「行くことのない島の名はうつくしい

          忘れられない人の名前も」

                 嶋田さくらこ <やさしいぴあの>から

 

もう、会うことの決してない人の名は、心の奥深く沈み込み

日常に思い出すことの殆どない、忘れていた名だけれど

行くことのない島の名の様で、それはただ美しいだけで

もはや忘れられない名なのだと、却って思い知ることになる。

 

私にもたった一人の人の名前を、この一首に出会ったことにより、

美しいものとして位置付けることができた。

 

この一冊に何首か共感する歌があり

また折を見て書くことが出来ればと思います。

 

ゆっくり、のんびりペースですが、また。

 

明日は関東圏は雪の予報ですが、皆様事故などと無縁で居られますように。