川の流れのように

日々の小さな想いをつづります。

冬の夜空

家猫の悲しい性で、外を眺める目に哀愁を感じるのは私だけだろうか。

 

夕暮時、西の空がオレンジ色に染まる頃、

我が家の猫様は、窓の外をじっと見ていることが多い。

 

私はその横顔をそっと見るのが好きだ。

そんなときの猫様は、少しばかり哲学的だ。

 

昼間は寝ていて夕暮れ時になると、人間の周りをウロウロし、

さかんに頭を足に擦り付けてくる。

遊んで遊んで、という風に、人恋しくなる魔の時間帯なのだろう。

 

その時間帯の窓の外は、行き交う人や車が多く、活気があり町が華やいでいる。

 

寒い時期は日暮れと同時に窓のシャッターを下ろして、暖気を保つようにしているが

猫様の楽しみのため、外が見えるように少しだけ開けておいてやる。

 

やがて夜も更けると、西空に明るく輝いているのは金星と学習塾だけである。

思わず見とれる程、ヴィーナスはひと際美しい。

 

先日、うっかりシャッターを下ろし忘れて、夜中に寝る頃になって

ご近所にうるさくない様に、そ~~っと閉めた。

 

その時間、、、、10時半とか11時ころ、まだ塾には生徒が居るようだった。

今は受験期も終盤に差し掛かり、若い子達が頑張っているなあと、

人生の黄昏を過ぎた身としては「ああ、大変だなあ。ご苦労様。」と、

その明るく切ない灯りを眺めた。

 

我が家の次女が高校受験の頃、「お母さん、受験の極意ってなに?」と

茫洋とした質問をしてきたことがあった。

自分の事はちゃっちゃとやり、ほぼ何もうるさい事を言わずに済んだ子だったので

健康だけ自己管理出来れば問題なし、と私は思っていたので

「睡眠をしっかり取るように。」とだけ

シンプル極まりない意見を伝えただけだった。

 

昔は、四当五落なんて言葉もあったなあと

遠い遠い昔を思い出しながら次女に話したものだった。

 

昭和の時代、睡眠時間を4時間くらいに削り、

5時間寝たら受験は落ちるよ、、、って言われたものだった。

 

今は、しっかり良質の睡眠をとって、スッキリした頭で勉強した方が

ずっと効率的でしょと。

素直な次女は、私の言葉にはいつも納得してくれていた。

 

それも遥か30年も前のことになるんだなあ、、、、本当に人生はあっという間だ。

次女は40代半ばだから。

 

次女宅の孫娘が今年は中学受験だった。

無事志望校に合格し、一族皆でほっとした。

 

受験すると決めて小五から、お初の塾通いを始めたようだった。

それまでは家で、次女が勉強を少し見てやる位で、

それももう自分でPCで調べたり、図書館通いで本をどっさり借りて来ては、

勉強より読書が好きだったらしい。

お稽古ごとはエレクトーンとバレエを少々。

発表会では、私がカラオケで歌ったユーミンの「ルージュの伝言」を

いたく気に入り、情感豊かに弾むように弾いた。

 

絵も書道も、はみ出る程大きな勢いがあるので、面白い子だと思っている。

 

ちなみに私も次女も、絵も文字もちんまり書く方だった、、、、若い頃は。

(今の私は、でかくて不揃いな文字を殴り書きしている。

  中年頃から性格が変わったようだ)

 

一体誰に似たのだろう、、、わたし(爆)そして娘、、、、(笑)

パパさんも何でも、とことん追求する熱意のある人、

細やかにしておおらかな人なので、皆の良い所を少しづつ受け継いだという事にしておこう。

 

頭脳は母方、人間としての特質は父方なんだそうな。

競馬の血統を思うと、そうなのかと妙に納得(爆笑)

馬は父の血で語るものだから。

 

三人の孫は全員父親にそっくりで、こちら母方に似ていないのだ。

巷でよく言われる、いわゆる「お腹を貸しただけ」状態である。

 

で、天皇家は男系男子に拘るのかと思った次第。、、、、(しかし私は愛子ちゃんファンだ。)

 

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窓のシャッターを下ろすとき、ヴィーナスと近所の塾の煌々とした灯りを見て

孫娘の合格を願い、祈る位しか出来ないババであった、、、、

 

今年は好い花見が出来そうだ。