懐かしい、、、、ただその一言しか浮かびません。
昭和の気配の色濃く残る場所が沢山描かれて、
世代が違うとまた感じ方は違うのでしょうけれど、
昭和世代の私と夫は、結構長居をしてしまいました。
~~パンフレットより~~
静遥さんという画家の方が、結構近くに住んでいらっしゃると知ったのは
もう、10数年前でした。
父がまだ生きて居た頃、姉とささやかな父の日を祝い、
房総のドライブをした折に、いすみ市田園の美術館へ立ち寄ったことがありました。
この方のお住まいが、姉宅の直ぐ近くだったことを知り、親近感がわき
それから数回、ご案内のはがきを戴いたりしていました。
昭和初期の生まれの亡き父は、この方の描く絵のどこか懐かしい感覚に癒されたようで、特に絵画に興味は持っていなかったものの、
この時はとても楽しそうに、時間をかけて鑑賞していた姿を思い出します。
パンフレットより~~南房総市、石小浦の船
大網白里市の水路に架かる橋
今回、ギャラリーをゆっくり一巡している内に、
絵がどこで描かれたのか、下に書いてある説明を読まなくても、
何枚も場所が分かった事に、我ながら驚きと親しみを感じました。
「あ、これはあそこだわ、これは○○市のあの辺、、、」という風に。
ただ紫陽花が描かれている絵は、場所まで特定できて、
ダンナに大威張りで伝えました(笑)
ほう~~っ、よく分かったね~と、感心されましたが、
静遥さんも写真を撮る方で、私も一時、写真を沢山撮って
あちこち歩いたものですから、大体が記憶に残っていたのです。
米どころ、いすみ市の田園風景は私も大好きな風景です。
田園美術館は、こんな長閑な町にあります。
春先の水張田、田植え後の豊かな光景には心から癒されます。
今回の絵の中の一枚に、ダンナの育った地域の、本当に何気ない道と商店が描かれた一枚に、ダンナは別の意味で驚き感動していました。
ここが、絵になるの?という。
地味な素材ではありますが、画家が描きたいと思うものは
その人自身の感性ですから、ダンナは、あそこを描いて欲しいなあ~~などと
ご無体を申しておりましたが、普通に綺麗な景色、見事な眺め、
きっと静遥さんが描きたいと感じる素材は、そういう事では無いのだと思います。
だからこその、懐かしさなのだと感じるのですね。
静遥さんは、私より2歳年下の東京調布の生まれだそうで、
昭和を感じさせる景色を求めて描いていたそうですが、
東京では徐々に失われた昭和が、まだまだ房総には残っていたそうです。
移住の決意はそんなことからだったようです。
4月9日まで、入館無料。
月曜休館
〒298-0124
千葉県いすみ市弥正93-1
TEL:0470-86-3708